Reコンテンツの教科書。

遅ればせながら(?)『GQuuuuuuX Beginning』を視聴してきました。

端的な感想としては、十分に面白かったです。

ご時世に即した言い回しをすれば、コスパ(チケット代2,000円)とタイパ(上映時間およそ90分)は十分に回収できました。

パッと見た感じネットで好評なのは前半のU.C.0079年パートのようですが、個人的に興味を抱いたのはU.C.0085年パートでした。というのも、「”第1世代”の映像コンテンツを再解釈して付加価値を与える」という目的に対して現時点における最適解の1つを見せて貰ったと感じたからです。

聖典や神話はもちろん、民話や昔話に至るまで、長く語り継がれる物語には常に再解釈の余地があると思っていて、アニメをはじめとした映像コンテンツに関しても、同じような時期に差し掛かっているというのが私見です。

初代ガンダム放映から今年で46年が経過した訳ですが、映画やテレビの歴史を鑑みると、広く大衆が映像コンテンツを楽しむようになって、実はまだ1世紀も経っていません。

その中でも、「定番」とされる作品群は既に神格化されつつあって、近年「再生産」のフェーズに突入している中、美麗な映像「以外」の可能性を提示してくれた点で、個人的に本作品を評価しました。

特に面白く感じたの言葉の使い方です。意味を再定義されて連発される「マブ」という2音は兎も角、「ありよりのあり」というフレーズが出てきたのはクリエイター陣の年齢層を鑑みると意外でした。現代性を付与することは常に陳腐化の速度を早めますが、面白い試みだと思います。

あとは、作品の後半で主たる舞台として設定したサイド6が、日本を時間的・空間的に圧縮した設定なのか?など、引き続き情報欲を刺激されるポイントが幾つかあるので、テレビ版が始まったら録画して観てみたいと思います。

参考:「【ネタバレ注意】『機動戦士Gundam GQuuuuuuX -Beginning-』クリエイターズトーク vol.2