幸せな不動産投資家の要件。

不動産の仕事でお世話になっているKさんという方の紹介で、中村好文さんという住宅建築家の存在を知りました。

薦められて『住宅建築家 三者三様の流儀』という他2人の同業者とコラボ?した書籍にバーっと目を通したのですが、やはり中村氏の紡ぐ言葉に一つ抜きん出た魅力を感じました(これは好みの問題だと思います)。

特に、ご自身が仕立て屋の仕事に感銘を受け、今の仕事につながる原体験をした際のエピソードなどは、読んでいるだけでスッと入ってくる素敵なものでした。

相当な映画好きでもあるようで、芸術や職人技といった建築にも通ずるであろう領域を上手く引き合いに出しながら、自らの取り組みを上手く表現している印象を受けました。

ちょうど、所有している物件の1つが建て替えの時期を迎えていることもあって、生業として「建物」に携わる方の声は何より貴重な羅針盤になります。

もちろん、事業として取り組み、収益性も求められる集合住宅の経営と(戸建)住宅建築では、選択や判断の基準が異なる部分もあります。

しかし、いわゆる”不動産投資”界隈に目を向けると、「オーナーの金銭的成功>入居者の感情的満足度」という思考回路が染み付いてしまっているため、こうして定期的に新鮮な言葉を取り入れることが欠かせません。

引き続き、事業性と住み手の快適な生活との間で、幸せな妥協点を見出す仕事をしていきたいものです。

そのためには、冒頭で話題にしたKさんのように、不動産業界では貴重な感性や仕事観を持った仲間を増やし続けていくことも大切でしょう。幸い、人の縁には恵まれた今世ですし、少しずつ輪を広げていきたいと思います。