先日、大学時代に師事した教授を囲む会に赴きました。まずは御年82歳を迎えた先生が益々お元気そうで一安心、次に同期達それぞれの現在が知れて大満足、の4時間となりました。
先生はアメリカのコロンビア大学で国際関係論に博士号を取得後、国際機関の現場で長年にわたって活躍されてきた方で、独自の国家論は慧眼に満ちています。
(ソクラテス的な思想を是とするゆえ、なかなか著書を記して下さらないのが残念でなりません…。)
今回、さまざまな論を拝聴する中で、今から約350年前に当たる1648年のウェストファリア条約で産声を上げた近代国家の今後についてされていた予見?が、特に印象に残っています。
曰く、インドや中国のように人口10億人超を抱えた国は変わらず存続していく傍らで、現在よりも相当にダウンサイジングされた主権国家が増えても良いだろうし、増えていくのでは?という説です。
現在でも人口35万人のリヒテンシュタインなど、いわゆる小国は存在しますが、掲げる理念に賛同した個人が集って形成されるような国家が誕生する土壌が整いつつある、というお話なのだろうと理解しました。
国と言うのも共同幻想の一つに過ぎませんが、その成立要件は広く共有されており、国民・領土・政府・外交という4点が満たされていれば良いことになっています。現在、日本が先に挙げた条件に基づいて承認している国が、世界に196あるのですが、これが今後250や300になるのも面白そうです。
ここからは私見ですが、そうした小国のイメージは、たとえば、かねてから「国を作りたい」と公言しているキングコング西野さんや、実際に無人島を購入した平成ノブシコブシ吉村さんのように、いわば「人気者」が旗振り役になってプロジェクトが立ち上がる形態に近いかもしれません。そのうち殆どが頓挫しても、世界規模で同様のチャレンジがなされれば、うち幾つかは形になっても不思議ではありません。
さて、最後に同期達について少しだけ。
当日は7名、それも男ばかりが集ったのですが、JICAやUNDP、そして総合商社の資源開発部門や新聞社、東京都庁など、僕を除けば大学時代の学びを活かした道に進んでいて、半ば頭の下がる思いでした。40代に差し掛かり、少しずつ責任ある仕事を任される立場となっている様子も聞けて良かったです。
翻って、勝手気ままに歳を重ねてきた不肖の弟子としても、そろそろ1つや2つ貢献を…と考えさせられる良い機会になりました。ひとまず教育分野なら何か戦力になれそうなので、5月から少しずつ動いていきたいと思います。